TOPIXはGPIFの大規模な国内債削減とリスク資産買い増しがほぼ一巡した直後の昨年8月に、約8年ぶりの高値を記録。その後は世界経済の減速懸念や市場の混乱を背景に年初からは19%程度下げ、日本株の時価総額は約104兆円吹き飛んだ。保有割合を徐々に修正するための日本株買いは市場心理を支えるとともに、巨額の国債購入を必要とする日本銀行にとっても朗報だ。 りそな銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・マーケット・ストラテジストは、4兆円規模の買い余力は「大きい。下値不安を和らげる効果はある。株価下落で資産構成割合が下がるので買わざるを得ない」と言う。評価損が政治問題化しているため、買い増しは慎重に進める可能性があると分析。国内債の削減は「日銀にも大変ウエルカムな話だ」と述べた。 SMBC日興証券の末沢豪謙金融財政アナリストは、GPIFの4-6月期の評価損を3.5兆-4兆円程度、6月末の運用資