1.研究の紹介 心理療法の実践を通して、そこで出会う様々なこころの問題を研究することに加え、心理療法の歴史的・文化的な背景を検討し、そこに垣間見える現代のこころのあり方を捉えることを課題としています。 フロイトによる精神分析では神経症を主な対象としてそれと密接に関係する自意識を前提としていましたが、現代の意識はそれとは異なる特徴をもつように変化しているという仮説のもとで、解離症状や発達障害、さらに身体疾患における心理療法に着目して研究しています。 また私はこれまで心理療法におけるイメージのはたらきに注目してきましたが、最近は心理療法における弁証法的な動きに興味を持っています。 方法論的には、心理療法を中心に、調査研究や文献研究も用いつつ、物語論的でない事例研究のあり方を模索しています。 2.略歴