1156 KAGAKU Nov. 2011 Vol.81 No.11 チェルノブイリ大惨事から 25 年,第二のチェ ルノブイリ事故はチェルノブイリ自体から起こる かもしれないと危ぶまれてきた中,福島第一原子 力発電所に大事故が起きてしまった。しかも事故 はまだ収束からは程遠い。1 号機から 3 号機まで 建屋の中は数十から数千ミリシーベルト (mSv) /時 (8 月 14 日付東京新聞) もあり,必要な作業を拒んでい る。何時大きな余震がきて大量の使用済み核燃料 を入れた冷却プールが倒れてくるのか,ようやく 低下した冷却プールの温度コントロールが一挙に 破壊されるのか,何時また危険な水素爆発が起き るのか,誰も予測がつかない。そしていまなお破 壊された建屋からは減少したとはいえ放射性物質 の放出は続いているし,原子炉建屋の地下に溜ま った汚染水処理は大量の地下水流入によって困難 を極め