薄膜シリコン太陽電池は、厚みが1μm程度、もしくはそれ以下の極薄のシリコン膜を用いる太陽電池です。面積あたりの発電量を決める変換効率では劣るのですが、液晶ディスプレイのように量産性が高く、コストダウンの余地が大きい太陽電池です。 薄膜シリコン太陽電池は、大きなガラス(や樹脂)の基板に、ごく薄い太陽電池を製膜することで製造します。そのシリコン層は一般的な結晶シリコン太陽電池の100分の1前後の厚みしかなく、とても省資源です(図1)。製造工程も大きく異なり、大面積のものを連続的に量産することができます(図2)。そのかわり変換効率は低め(7~10%程度)ですが、設置面積よりもコストを重視する地域などに向けて大量生産されています。 薄膜シリコン太陽電池には、下記の2種類のシリコン膜が用いられます。どちらも同じシリコンですが、膜の中の原子の並び方を変えることで、光学的・電気的な特性が違います。 アモ
研究紹介 植物の光合成メカニズムで太陽エネルギーを用いて水から水素を製造する人工光合成技術 −可視光での水の完全分解反応を世界で初めて達成− 研究の背景 太陽エネルギーを用いて水と炭酸ガスから酸素と有機物を合成したり、水を水素と酸素に分解するといった光エネルギー変換・蓄積(アップヒル)型の「人工光合成システム」の実現は、科学者にとって大きな夢であるが、実際には非常に難しい技術である。人工光合成研究の必要性を図0に示す。特に「水の完全分解」は最も基本となる反応である。植物の光合成では、クロロフィルを用いた2種類の光吸収中心と多くの電子リレー(キノンなど)を用い、水を分解して酸素を発生するとともに炭酸ガスを糖に還元している。光合成メカニズムを図1に示す(この電子の流れの形から「Zスキーム型反応」とも呼ばれる)。これまでの人工光合成の研究は、主にクロロフィルのような金属錯体の研究者を中心に行わ
現在の太陽光発電の発電コストは比較的高いのですが、普及に従って安くなってきています。安くなるにつれて、エネルギー源としての重要性も増しています。
EPTやEPRは、それぞれエネルギー源の性能を表す指標の一種です。それぞれ、下記のような意味を持ちます。 エネルギーペイバックタイム(Energy Payback Time, EPT): ライフサイクル中に投入されるのと同じだけのエネルギーを、発電によって節約できるまでに必要な稼働期間を表します。これが短いほど優秀です。 エネルギー収支比(Energy Payback Ratio, EPR): ライフサイクル中に投入されるエネルギーに対する、発電によって節約できるエネルギーの倍率を表します。これが大きいほど優秀です。 大まかには、下記のように表されます。 Ein : ライフサイクル中に必要になるエネルギー eav : 単位期間中の発電量で節約できたエネルギー投入量 Eav : ライフサイクル中の発電量で節約できたエネルギー投入量 Tlifetime : 想定寿命(稼働期間) EPT = E
平成19年7月17日 独立行政法人 産業技術総合研究所 太陽光発電研究センター 結晶シリコン系太陽電池に関して、製造時の投入エネルギーを回収し、CO2排出量をトータルでゼロまで相殺するために、その太陽電池パネルを10年近くも稼働(発電)させる必要がある、と言う指摘が今でも散見されますが、これは古いデータに基づく誤った認識であることを、指摘させていただくと共にEPTに対する当研究所の中立的研究機関としての見解を以下にご説明させて頂きます。 持続可能な社会を実現するために不可欠なクリーンで枯渇することのない再生可能エネルギーとして、太陽光発電への期待は近年益々高まっています。太陽光発電は、有害ガスやCO2の排出が無く、燃料代も掛からないクリーンな発電システムですが、製造時には一定量のエネルギーが必要で、それに伴うCO2の排出もあります。この投入エネルギーの回収と、製造時排出分のCO2削減に必要
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