連載コラム エコ 環境問題【環境戦略の新時代】Vol.13 太陽光と太陽熱 大阪大学大学院工学研究科客員教授 西村陽 近年ドイツが太陽光発電に猛烈な普及策を展開し、設置出力でトップだった日本を抜き去ったのはご存知の方も多いだろう。もともとドイツはユーラシア大陸の北西にあり、安定した風が得られる北岸での風力発電に力をいれてきたが、出力変動による電力系統への悪影響や騒音問題もあり、太陽光発電も有力なオプションとしてきたのである。現在日本円で言うとkWhあたり70〜100円という大変な高値で買い取る制度となっており、ユーロ高の影響があるとはいえ日本で行なわれている25円程度に比べても随分高い。 しかしながら、日本でもドイツでも、電力消費に占める太陽光発電のウェイトはまだ1%にはるかに届かない。昼間しか発電できず、天候条件もあって年間稼働率が10%そこそこの太陽光が既存の水力・火力・原子力とシェ