新型コロナウイルスの感染が広がる中、道内で感染した患者を受け入れる医療機関などで、看護師や医師、その家族が心ない誹謗(ひぼう)中傷にさらされる事例が出ている。該当する病院に勤務しているだけで近隣住民から避けられ、子どもの通う保育園から登園自粛を求められた人も。専門家は「根拠のない偏見は従事者を疲弊させ、医療体制の崩壊など悪循環を招く」と警鐘を鳴らしている。 「頼りにしてくれる患者さんのためにと現場では気を張っていますが、このままでは心が折れそう」。感染者が入院する医療機関で働く道内の30代の女性看護師は吐露する。 女性が働く部署は、感染者の治療には関わっていない。それでも勤務先を知る同じマンションの隣人は、乗っていたエレベーターを急に降り、早く行けと黙って手で促してくる。病院内でも外来患者から「ここって感染者が入院してるんでしょ。うつさないでね」と言われたことは一度や二度ではない。 一方、