グッゲンハイム美術館 Photo by David Heald (C) Solomon R. Guggenheim Foundation, New York. 美術館における多様性の実情 ミネアポリスの警察官によってジョージ・フロイドが殺害されたことをきっかけに、全米各地で大規模な「Black Lives Matter」を掲げた人種差別への抗議行動が起こっているのを受け、企業や組織などが、相次いでこの動きへの支持を表明している。 美術界もこの流れに乗っているものの、業界全体では依然有色人種の占める割合が少ないのが現状である。アンドリュー・W・メロン財団が2019年に発表した報告書によると、キュレーターにおいては84パーセント、運営に関わるポジションでは88パーセントが白人で占められている。国勢調査で自らの人種を「白人」と回答した割合が76.5パーセント(2019年)であることを考慮すると、