サイバーカラテ発祥の地ネオアメリカの青肌人(ブルージーンズ)には特殊用途義肢の適合者が多いと聞く。兵士や宇宙飛行士などは高度な人工知能を搭載した半自律義肢を運用するが、海底人とも揶揄される青肌の新人類たちは極限環境下での活動に自らを最適化することに余念がない。『イエローストーンの長い冬』から一世紀を経て、彼らの貪欲な急進性は遺伝子改造のみならず特殊用途義肢を自家薬籠中の物とするに至っていたのだ。 だから一般的な彼らのイメージは少しばかり幻想的だ。タコやイカのような無数の手足を有していたり、多機能ロボットアームを分離・遠隔操作したり、時には艦船や飛行機、海底基地や複数の小型ドローンそのものと自己の感覚を一体化させたりといった、人の枠を拡張するような身体性のあり方がそこにある。 俺ことシナモリアキラが各種アプリ(たとえば『残心プリセット』など)を活用して義肢というツールに命令するのとは違う。リ