国会で会話を交わす当時の岸田文雄外相(右)と安倍晋三首相=国会内で2016年11月29日、川田雅浩撮影 インド・ニューデリーで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は27日、「佐渡島(さど)の金山」(新潟県)を世界文化遺産に登録することを決めた。歴史的経緯から当初、韓国側が猛反発する一方、安倍晋三元首相は登録を強硬に主張。政権基盤が弱い岸田文雄首相にとって、最大限に神経を使う「安倍案件」の一つだった。最終的には韓国も登録に賛成するなど「軟着陸」できた背景に何があったのか。 保守派「弱腰外交だ」 「(韓国に)歴史戦を挑まれている以上避けることはできません」 安倍氏は2022年1月、自らのフェイスブックにそう書き込んだ。 佐渡島の金山を巡っては、政府の文化審議会が21年12月、世界文化遺産の推薦候補として選定したが、韓国側は「かつて朝鮮半島出身者の強制労働の現場だった」として