欧米などで実施されているサマータイム(夏時間)制度は、夏季に時計を1時間進めて日中の時間帯を有効活用するというもの。近年、わが国でも導入の動きが出ているが、これに反対してきた日本睡眠学会は7月23日、小冊子『サマータイム―健康に与える影響―』を公表した。2008年に同学会が報告した「サマータイム制度と睡眠―最終報告―」を平易にまとめたもので、サマータイム導入がもたらす悪影響について、一般国民の理解を得るのが狙い。学会の特別委員会の本間研一委員長(北海道大学大学院客員教授)は、小社の取材に対し「サマータイム制度が問題なのは睡眠不足をもたらす可能性があるためで、早く起きるなら早く寝ることが必要」とのコメントを寄せた。なお、小冊子は学会公式サイトからダウンロードできる。 ◎健康問題はほとんど議論されず サマータイム導入で起こる可能性がある健康障害として学会が指摘しているのは、(1)生体リズムへの