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9巻と同時に読了。最初少し流れを忘れていて読み返したが、全体的に非常に面白かった。群像劇がどんどんと拡がっており、それぞれの展開に目が離せない。メンタルモデルについての掘り下げが少しずつ進むのを見ながら、この設定の背景には神経科学や哲学的な認知と自己の問題についての知識が主題として置かれていると感じた。人間と霧を二項対立として置く事でその問題の本質、境界線に切り込む手法は非常に面白いと持った。先が気になる。
新しいメンタルモデルがわさわさ登場して、ただでさえ複雑な話がさらに複雑に。改めて読み直さないとわけがわからない。面白いんだけど。 アルペジオにしろ、先日読んだ「シドニアの騎士」にしろ、設定やアプローチは違えど、その話の構造は結構似ている。突如現れた人外のモノによって人類は存亡の危機に立たされる。その人外のモノの正体も目的もわからず、意思疎通もかなわない。やがて人外のモノは人類の知識・文化を吸収し高度化していく。それは人類にとって脅威であるとともに、相互理解の可能性の萌芽でもある、と。 SF的には、ディザスターものとファーストコンタクトものとのハイブリッドってとこなのかな。こういうのの人気が高まったのはどういう背景があるのだろうか。
最新8巻まで。第二次大戦時の戦艦の姿をしたが正体不明の「霧の艦隊」と人類の戦いを描くのが中心的ストーリーであるが、ここにメンタルモデルという概念を導入したことが新しい。純然たる兵器である戦艦に人格が生じるという設定が、物語の厚みを与えている。 霧の艦隊と人類とが理解しあえるのか?という視点からはファーストコンタクトものとしての側面を持つし、そもそも霧の艦隊はなぜ人類と交戦しているのか?という視点からは兵器としてのアイデンティティにかかる物語になる。 8巻までは謎が提示されているのみで、まだほとんどの謎は解明されていない。謎と伏線をしっかりと回収し、これだけ広げた風呂敷をどうたたむのか、どう着地するのか、これからの展開が楽しみ。
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