目がくらむほどの華やかなプロ野球人生を歩んできた両打ちの「スピードスター」が今、地方のグラウンドで汗を流している。昨季限りで阪神を戦力外となった西岡剛。NPBへの返り咲きを目指し、独立リーグ・ルートインBCリーグの栃木ゴールデンブレーブスに新天地を求めた。 日本一やWBC、北京五輪を経験し、MLBにも挑戦した20代。期待されながら、度重なるケガに泣いた30代前半。そして35歳を迎える今季、さらなる可能性を見いだそうとしている。プロ17年目のシーズンへと向かわせる原動力は、若かりしころの自分に対する「ある思い」にあった。 ――プロ17年目は独立リーグで迎えました。NPBでも、MLBでもない環境にどう向き合っていますか? めちゃくちゃ楽しいですよ。この場所で、吸収しまくろうと思ってるんで。社会人1年目の勉強ができてるって感じですね。NPBでは何でもそろっていて、非現実的な世界にいたんやなって。