これは、あるクライアントとのディスカッションでの出来事です。同席している部下に対して部長がこんなことを言いました。 解決策のない問題提起は愚痴と同じだ これはまずいな、と感じました。 本人はいいことを言ってやろうとか、場を掌握しようとか、目的があっての発言なのでしょう。しかし、この発言をきっかけに、ディスカッションは沈黙の間を言葉で縫うような、およそ充実とは程遠いものとなってしまいました。 問題提起は単体でも高い価値があるはずなのに、その芽を摘んでしまったのです。 私はその部長に 二度とその言葉を口にしないでください と伝えました。 問題提起だけでも価値がある もしかしたらこの部長さんはカンタンに解決できる問題しか扱ってこなかったのかもしれません。でも、世の中の問題は、そんなにカンタンに解決できるものばかりではないんです。そういう難しい問題は、そもそも提起するだけでも重要な価値があります。