2010年6月12日のブックマーク (3件)

  • 『告白』が原作をこえた理由(ネタバレ無し) - シン・くりごはんが嫌い

    いやぁ、すごかった。何がって『告白』が、である。 そもそも原作『告白』はぶっちゃけ小説としては完成された代物ではないと思う。特に一番重要な2つの“告白”シーンが口語体によって表現されているので、それ以外何が起こってるか分からないという致命的な弱点がある。だからといってこれ見よがしに「今、○○が起こってますね。」と頻繁に言うわけにいかない。実際、読んだ時に「これ大勢の生徒の前で喋ってるけど、ちゃんと全員が黙って聞いてるのかなぁ」とか余計なことを思ったりした。ネタバレになるから書かないがクライマックスの状況もしかりである。 ただ、作者がその表現にかけた情熱は間違いなく汲み取ることが出来る。故にラストはとても衝撃的だった。小説として完成されてはないかもしれないが『告白』には異様な情念が立ちこめており、こういうのが書きたい!という想いに溢れている。ぼくは原作の『告白』は大変おもしろく読んだクチだ。

    『告白』が原作をこえた理由(ネタバレ無し) - シン・くりごはんが嫌い
    reikon
    reikon 2010/06/12
  • この道を行けば…どうなるものかっ!『ザ・ロード』 - シン・くりごはんが嫌い

    南に行きたいのさ/涙も少しだけこぼれるさ 理想はもうちょっと上/嫌がられて結構 もう後には引けん ――――『南行き』GRAPEVINE 『ザ・ロード』読了。 ザ・ロード 作者: コーマック・マッカーシー,黒原敏行出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/06/17メディア: ハードカバー購入: 9人 クリック: 192回この商品を含むブログ (169件) を見るピュリッツァー賞を受賞し、アメリカで180万部のベストセラーになった作品だが、ぼくは核戦争で地球が壊滅し、そこに残った数少ない人間が、べ物や石油なんかを奪い合うという『マッドマックス2』的な終末世界がとても好きなので、絶対に読みたかった*1。 ストーリーは今書いたように、核戦争かもしくは、巨大な隕石かなんかがぶつかって、地球上の生物が死滅してしまったという世界が舞台*2。そんな地球と呼べるかどうか分からん世界で「彼」と表記さ

    この道を行けば…どうなるものかっ!『ザ・ロード』 - シン・くりごはんが嫌い
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    reikon 2010/06/12
  • 越境(コーマック・マッカーシー、ハヤカワEpi文庫) - 幻 想 の 断 片

    越境 (ハヤカワepi文庫)作者: コーマック・マッカーシー,黒原敏行出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2009/09/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (14件) を見る独特の文章に酔い、荒々しい運命の物語にただ瞠目するしかない。素晴らしい。「ザ・ロード」「血と暴力の国 (扶桑社ミステリー)」のコーマック・マッカーシーの、「国境三部作」二作目。それぞれ物語は独立しているので、どこから読んでも大丈夫なようだ。(第一作目「すべての美しい馬」から読もうとしたら、品切れですってよ!再版されなかったらどうしよう。)1940年。ニュー・メキシコの牧場に両親と弟と共に暮らす16歳のビリーは、メキシコから国境を越えてきて牛たちを襲っていた牝狼を捕らえた。魅せられたかのように、そのまま牝狼をメキシコまで送り届ける旅に出る。苦難と不思議な明るさに満ちたこの旅が、物語

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    reikon 2010/06/12