大阪府寝屋川市で2010年、1歳の三女を虐待し死亡させたとして、傷害致死罪に問われた父親の無職岸本憲(28)、母親の美杏(29)両被告の裁判員裁判の判決で、大阪地裁(斎藤正人裁判長)は21日、「親による虐待には今まで以上に厳しい罰を科すことが社会情勢に適合する」として、いずれも求刑を5年上回る懲役15年を言い渡した。 判決は「約9カ月間もの常習的な虐待の末、無抵抗の女児の頭部を横殴りにして床に打ち付けた行為は、殺人罪との境界線に近い」と指摘。「法廷で責任を次女になすりつける虚偽の供述をし、更生意欲も認められない」と非難した。 その上で「近年、児童虐待が大きな問題となっており、求刑は幼児虐待の悪質性を十分に評価していない」と結論付けた。 【関連記事】 【ザンビア現地リポート】チテンゲに祈りを込めて〜途上国の過酷な出産事情 〔特集〕裁判員制度 スタート1年 【特集】取り調べ可視化