「肉食はタブー、禁止」というイメージがある江戸時代ですが、実は豊富な肉料理が存在しました。いまではあまり食べない意外なお肉や、肉料理屋の面白い言い訳など、江戸の肉食事情をまとめました。 肉食タブーの時代、それでも食べたい肉! 今では当たり前に食べているお肉ですが、日本では長く肉食はタブー視されていました。もとをたどれば奈良時代、殺生を忌む仏教の影響で肉食が禁じられるようになりました。 それからおよそ1,200年後の明治時代になると“文明開化”の象徴として牛鍋がブームになりました。 (『安愚楽鍋(あぐらなべ)』仮名垣魯文 著) 教科書でもおなじみ、牛鍋を食べるハイカラな明治男子。1877年(明治10)の東京には牛鍋屋が488軒もあったといいますから、その大流行ぶりがうかがえます。 では、文明開化以前、江戸時代の人々は肉をまるで食べなかったのでしょうか? (『名所江戸百景』「びくにはし雪中」歌