『浪花百景』「天神祭り夕景 」(歌川国員 画) 夜の水面に浮かぶたくさんの船。それを照らす提燈の灯り。 東京の神田祭、京都の祇園祭とともに「日本三大祭」と呼ばれ、現代でも盛大にとり行われる大阪の天神祭の真っ最中です。 天神祭の歴史はとても古く、はじまりは平安時代の951年(天歴5)なのだとか。 描かれていのは、天神祭の目玉のひとつ「船渡御(ふなとぎょ)」という神事。 神輿を乗せた船や楽隊を乗せた船が戎(えびす)島にある神さまの休憩所「御旅所(おたびじょ)」までを往復しました。 現代では大勢の観光客でにぎわいテレビ中継もされるほど一大イベントとなっている天神祭ですが、江戸時代も今と変わらず夏の大坂には欠かせない一大行事だったようです。