2019年の外国人観光客は3,188万2,000人だった。「インバウンド消費額」とも呼ばれる外国人観光客の消費額は4兆8,113億円。コロナ禍の前、日本の観光業は急成長していた。しかし、コロナ禍でインバウンドは突然途絶えてしまった。 日本は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる入国制限措置で、約2年に渡って海外からの門戸を閉ざした。外国人観光客は90%以上減少したが、6月10日から98か国・地域からの観光客の受け入れを再開した。 観光業の復活は、日本経済の回復に大きく資すると期待される。だが、門戸の開放は添乗員付きのツアー客に限定されるなど、いくつかの制限が継続されている。観光業がコロナ禍以前にどこまで復活するかは不透明である。 日本経済と観光業に関しては、より本質的に重要な問題がある。コロナ禍以降の観光業について想起されるのは、中止と再開を繰り返した「GoToトラベル」事業を巡る