2019年11月12日。 日本では美しい満月が観測されたその日、ヴェネツィアの友人・知人たちの間でSNSが朝からちょっと騒がしかった。11月はヴェネツィアで気候が不安定な上、大潮と悪天候が重なってアックアアルタ(Acqua alta)と呼ばれる高潮現象が最も起こりやすい時期。前日あたりから12日(火)は午前10時と午後11ごろの満潮時に、130cmを越える予報が出されていた。 ヴェネツィアが冠水するのには複合的要因があるのだが、大きく分けると、まずは海の潮位、直前までの降雨量、低気圧、そしてシロッコという南風による。潮位は一日の中で2回、満干潮があるのと、満月と新月のころに大潮となる。降雨量、とくに近郊に注ぐ川の上流での豪雨などは要チェックだが、実は直接の影響は少ない。低気圧がむしろ重要で、大気の圧力が低い、すなわち、水が上がりやすくなり、さらにアフリカ方面からアドリア海を北へ向けて強く吹
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