ペナントレース最終戦で敗れ本拠地開催はならなかったが、広島カープは、昨年に続くクライマックスシリーズ出場。「おらが町のカープ」の逆転優勝を信じ、地元の熱は高まったままだ。 今年はシーズンを通し、ファンの声が一段とチームの背中を押してきた。カープ女子による一大ブームも含め、球団がハード、ソフトの両面で辛抱強く作り上げてきたチームの魅力が深く浸透してきた結果だ。巨人や阪神と見比べても、まず強く感じるのは自前の選手がズラリと並ぶカラーだ。しかもその選手たちが攻守走のバランスが取れ、躍動感あふれる戦いを美しいマツダスタジアムで展開する。ファンの声にも、一層の思いが募ろうというものだ。 ファウルゾーンがとにかく広い由宇球場。これが守備、走塁への意識を高める 叩き上げの選手が並ぶ顔ぶれに「由宇を思い出しますね」と言ったのは山崎隆造氏だ。80年代、俊足巧打のスイッチヒッターとして活躍し、引退後は2011