ポストモダンはブランクスレートか論争 仲正さんとの論争だが、じつはまだ続いていて、第二ラウンドに入っている。第一ラウンドは「ソーカル事件や知の欺瞞には影響力がなかった!」という仲正さんの主張は正しいのか否かについてだった。詳細はこちらをご覧ください。 第二ラウンドは、ぼくが、ポストモダンはブランクスレートであるという、スティーブン・ピンカーの批判を紹介したことにたいし、仲正さんの方から批判してきたもの。 ブランクスレートとは、人間の心理は生物学的要因とあまり関係がないとする考えかたのことだ。生まれたての人の心は新品の石板のように空白だとする思想なので、そう呼ばれる。いまでは時代遅れだが、二〇世紀後半の人文・社会科学では、ブランクスレートのほうがむしろ主流だった。進化心理学者のレダ・コスミデスとジョン・トゥービーが、こうした人間観を標準社会科学モデルと呼んだほどだ。 ブランクスレート説