これは気象だけでなく、流体力学の分野に共通なのだが、力学でも流体以外の人には通用しないと思うので、いわば「流体地方の方言」だと思う。 - 1 - 流体の運動、とくに運動方程式をどう記述するかについて、大きく分けて二つの態度がある。 ラグランジュ型というのは、流体の小さな部分(「流体素分」とか「流体粒子」とかいう)に注目して、それの運動を追いかける形で記述することだ。質点や剛体(変形しない固体)の運動の記述を知っていれば、そこからの自然な発展と考えられるだろう。ただし、流体素分が小さいとはいえ有限の大きさをもつとすると、その形は流れていくうちに変形していき、しだいに非常に細長いものになって、長さの尺度では小さいとは言えないものになってしまうだろう。流体素分は無限に小さいものとすれば理屈はすっきりする。ただし現実の気体や液体は分子からなっており、無限に小さい素分というのは理想化だ。 オイラー型