【広州=小林哲】香港の英字紙サウスチャイナ・モーニングポストは2日、中国外交筋の話として、同国が今年、尖閣諸島(中国名・釣魚島)のある東シナ海や、ベトナムなどと領有権を争う南シナ海を、国家の領土保全にとって最重要な「核心的利益」に属する地域とする方針を新たに定めていた、と報じた。 同紙によると、「核心的利益」は従来、台湾や独立運動が続くチベット、新疆ウイグル両自治区に限って用いられ、中国はこの地域での主権を守る上で一切の妥協を許さないとの立場を取ってきた。東シナ海が同じ位置づけに格上げされたとすれば、尖閣諸島での漁船衝突事件で見せた中国側の強硬な態度を裏付けることになる。 南シナ海については3月、中国外交を統括する戴秉国(タイ・ピンクオ)・国務委員(副首相級)が、訪中した米政府高官との会談で同海域での権益確保などを主張した際に、「核心的利益」に属すると米側に伝えたとされる。ただ、東シナ