アカデミアと軍事(3) 研究現場訪ね、助成判断 [10/09/26] 東京科学グループ・小宮山亮磨、松尾一郎 メガネ越しにのぞき込んだコンピューター画面に、立体表示された緑色の銅鏡。空中に浮かんだように見える鏡の表面を、手に持った特殊なペンでつつくと、ゴンゴンと金属音が響く。文様のでこぼこした感じがペンを持つ指先に伝わってくる。ペン先を使って鏡をひっくり返すと平らな鏡面が現れた。表面をなでると、さびてザラザラした質感がリアルに伝わってきた。 情報通信研究機構(NICT)の安藤広志博士(認知脳科学)らが開発した多感覚インタラクションシステムだ。 これが米軍の興味を引いた。2008年11月、空軍のアジア宇宙航空研究開発事務所(AOARD)関係者2人が、京都府にある研究所を訪ねてきた。安藤さんが応対し、システムの説明をした。 訪問の経緯は報告書にまとめられ、米国防総省に提出された。アジア各地の