青木——この「現代美術館研究」は、現在、美術館というものが置かれている位置、そして、これからどんな美術館を構想できるのか、そんなことを考えてみようと思って企画したシリーズです。美術館というのは、ひとつのインスティテューションであるわけで、つまり美術館の内側からその内容が決まっていると同時に、それをとりまく外部からも内容が規定されています。ですから、まずそのインスティテューションのあり方を見ることが重要だと思います。磯崎さんは、かつて、美術館を第1、第2、第3と3つの世代に分けて述べられたことがありましたが、それはまさに美術館をそうしたインスティテューションとして見ることから生まれた構想だったと思います。ちょうど「奈義町立現代美術館」をつくられたときですから、いまから5年ほど前のことでしょうか。第1世代美術館は、略奪してきた物品を陳列閲覧するものであり、第2世代美術館は持ち運び可能でそれゆえ