ポイント 走査型トンネル顕微鏡によって誘起される分子の運動・反応の様子を理論的に予測 実験データと理論予測を比べ、「分子の指紋」の情報を読み取る アクションスペクトル測定で固体表面上の分子1つ1つがどんな分子であるかを判別 要旨 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、走査型トンネル顕微鏡(STM)※1によって誘起される分子の運動・反応の様子を予測する理論を整備し、固体表面上の分子1つ1つの性質を示す「分子の指紋」を調べる手法を世界で初めて確立しました。これは、理研基幹研究所(玉尾皓平所長)表面化学研究室の本林健太研修生、川合真紀元主任研究員(現理事)、Kim表面界面科学研究室の金有洙准主任研究員、国立大学法人富山大学工学部の上羽弘教授らによる研究成果です。 シリコンに代わる次世代デバイスの1つとして、単一分子を構成要素として用いる「分子ナノデバイス」が提案されています。分子ナノデバ