名古屋大学(名大)の木下俊則教授の研究チームは、植物の二酸化炭素取り込みを行っている気孔の突然変異体の解析の結果、フロリゲン(花成ホルモン)として知られているFT(FLOWERING LOCUS T)が、気孔開度制御において重要な働きを担っていることを発見した。同成果は米科学誌「Current Biology」に掲載された。 植物は光合成を行うことで成長し農作物となるほか、二酸化炭素(CO2)を吸収し、地球環境を人間や動物が住みやすいように整えている。植物におけるCO2取り込み口となっているのが、植物の表面に存在する気孔と呼ばれる孔で、太陽光下で開口して光合成に必要なCO2を取り込んでいる。 図1 ツユクサ表皮の気孔の写真。気孔は光照射によって開口し、乾燥ストレスに曝されると植物ホルモン・アブシジン酸の作用により閉鎖する。気孔は、光合成に必要なCO2取り込みの唯一の取り込み口となっている