ギリシャから飛び火 リフィ川にかかるハープを模した橋 欧州の信用危機がギリシャから今度は、北の島国アイルランドに飛び火した。不動産バブルの崩壊で銀行に発生した巨額の不良債権に対する膨大な処理コストが政府の財政を圧迫、欧州連合(EU)・国際通貨基金(IMF)への緊急支援の要請に追い込まれた。第2幕の危機は既にスペインやポルトガルなどに波及しつつある。 (時事通信社外国経済部 田中健吾) ▽先が見えず、人々は貯蓄へ ダブリン市の中心部を東西に流れるリフィ川。川にはアイルランドの国の象徴ハープを模した橋が架かっている。昨年開通したその橋の北側には、今年完成の国際コンベンションセンター、南側には再開発で建設された商業用とみられる大型ビルも見える。近年の不動産開発ブームに沸いた様子が一目で分かる。 だが、街中ではアイルランド名物の黒ビール「ギネス」の広告と同様、テナント募集を意味する「TO LET」