名門スポーツ用品メーカー、ミズノの存在感が薄れている。同社は1906年創業の老舗企業で、野球やゴルフ用品を軸に一大地位を築き上げてきたメーカーだ。野球では田中将大(ニューヨーク・ヤンキース)ら、多くの有名選手と契約を結ぶ。 ところが、スポーツ用品業界で、かつて国内2強を競り合ったアシックスに売上高首位を奪われて約10年。アシックスの売上高が4000億円を超えたのに対し、ミズノは2000億円程度。時価総額でもミズノは業界3位とデサントの約半分にすぎない。 競合は早々に方向転換を決めた ミズノが低迷している要因は二つある。まず、野球やゴルフなど、特定の競技用品に依存しきったことだ。少子高齢化の影響で国内のスポーツ人口は縮小傾向にある。 日本生産性本部によれば、野球の参加者は2005年に1250万人いたが、この10年で680万人まで減少。人気の低迷が続くゴルフも、場内でプレーする人口は、この10