■将来の治療薬開発視野に 毎日の食事で、過剰に摂取した脂肪はどこへ行くのか。メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の人の場合、内臓脂肪の量が限度を超えると、「ミンクル」という分子を介して脂肪組織の線維化が起こり、糖尿病など生活習慣病の原因につながる恐れがあることが日本発の研究で示された。脂肪組織の性質に焦点を当てた画期的な研究成果で、メタボの予防・改善に向けた治療薬の開発につながることが期待される。(大家俊夫) ◆マウスの実験で証明 ミンクルの性質についてはこれまで、生体の感染防御に中心的な役割を果たすことが分かっていた。しかし、今回はミンクルを介して肥満の脂肪組織の線維化につながる別のメカニズムが解明された。研究したのは東京医科歯科大大学院医歯学総合研究科の菅波孝祥(たかよし)特任教授と小川佳宏教授のグループだ。同研究は9月、英国の科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」(電