生後4ヶ月を迎えた子供の眠る頬を見ていると、野原しんのすけの輪郭に納得できた。あのいびつさが実はリアルだったということ。生きているといろいろ気づけるのでやっぱり生きていくほうがいいと思った。 娘を寝かしつけた妻と直近の未来を話し合って励まし合い妻には寝てもらった後、台所で洗い物をする。昔から洗い物だけは丁寧にしてしまう性分なので、自分たちの使った食器や哺乳瓶を洗い、ミルトンの溶液を替えているとあっさりと20分以上は経過してしまう。 洗い物を丁寧にしてしまうのは、死んだ母親に似たからだ。母はところどころ神経質なところがあって、食器はやはり入念に洗ったし、Tシャツも一切のシワがつかないようにたたんでいて、たたみなおすこともしばしばだったし……と、2つ書いたところで、ほかにはどんなことに母が神経質を発揮していたのかもう俺は覚えていなかった。もしかしたら、この2点だけだったのかもしれない。母の神経