余りに突然で言葉がない。 最新作を、今週の自分の番組で紹介しようと選曲していたときに知ったので、事態を受け止められず混乱している。 この先鋭的でみずみずしい、全く老いや停滞を感じさせない傑作は、公式サイトで発表されている18ヶ月の闘病期間に制作されたものだろうか? ボウイは、自らの死を覚悟しながら、このアルバムを作ったのだろうか? だとするならアルバム最後の「アイ・キャント・ギヴ・エヴリシング・アウェイ」、私は全てを与えることはできない、という言葉を僕たちはどう聞けばいいのか? デビッド・ボウイは私生活に関して秘密主義を貫く人ではなかった。インタビューにも積極的に応じ、人前にも気軽に出た。にもかかわらず、デビッド・ボウイには不思議な抽象性があり、存在そのものが作品のようだった。 それは意図的なもであったのだろうが、本人の意図以上にボウイは抽象的な存在であり続けた。 初期のフォーキーなスタイ