ブックマーク / river-daishiro.hatenablog.com (3)

  • 「すばらしい季節」。 - 言葉と記憶の小径。

    作家として活躍し、92歳で亡くなるまで自然に寄り添う生活を慈しんだターシャ・テューダー。 まるで絵の世界に迷い込んだような18世紀風のコテージや広大な庭は、映画などですっかり有名になりました。 女手ひとつで4人の子供を育てあげ、その後は一人で「思う通りに生きてきた」と語るその人生の軌跡は、いまも多くのことを教えてくれます。 ※ 作・絵: ターシャ・テューダー 訳: 末盛千枝子 (現代企画室) 「すばらしい季節」は1966年、ターシャ50歳の頃の作品です。 当時のアメリカは、ベトナム戦争に介入し始めたものの、いまと同様、繁栄を謳歌(おうか)していました。 ターシャは、1971年、56歳の時に、昔から住みたいと願っていたバーモント州に広大な土地を見つけ、住み始めます。 建物も庭も自らのデザインでした。「四季を愛し、山羊、鶏、、犬、ガチョウなどに囲まれ、朝日と共に起き、自然と歩む」と

    「すばらしい季節」。 - 言葉と記憶の小径。
  • 「スノーマン」。 - 言葉と記憶の小径。

    毎日眺めているはずなのに、狭い庭のかんばせの移ろいにさえ気づかない。昨日まで雪があり、屋根からの氷柱がタタタと滴になっていたのに、今日は湿り気たっぷりの黒い土がのぞいている。時間はこうして、静かに、速く、雪のように溶けて流れていく。 子どもたちが小さな頃、繰り返して観たアニメに「スノーマン」という作品があった。導入部でデヴィッド・ボウイが登場するバージョンで、彼が作者の熱烈なファンだったことはあとで知った。同じ作者の「風が吹くとき」が映像化されたときにも主題歌を歌っている。 ――ある朝、男の子が目を覚ますと、窓の外は一面の銀世界。 男の子は雪だるまを作り、その夜、時計の針が12時を指したとき、雪だるまは生命を得る。 男の子と雪だるまは家を抜け出し、一緒になって、森や海の上を飛び、雪だるまたちのパーティ会場にも行って、サンタクロースからマフラーをプレゼントされたりする。 再び空を飛んで自宅へ

    「スノーマン」。 - 言葉と記憶の小径。
  • 失っても、なお───「ねずみ女房」。 - 言葉と記憶の小径。

    ありきたりの日常のなかで「ねずみ女房」は何がほしいのかわかりません。何かが足りないのです。そんなある日、ハトと出会い、外の世界のことを知ります。そして、ハトとの別れの日「ねずみ女房」は初めて星の美しさを知りました。私たちが大人になっていく意味、日常という世界の凄みを静かに問いかける、大切な1冊。 日常にあった世界とは 大好きなに『ねずみ女房 』(ルーマー・ゴッデン作 石井桃子訳 福音館書店 )という絵があります。 ある日、野生のハトが捕えられ、ねずみ一家の棲む家の鳥籠に入れられます。ねずみ女房は夫と子どもたちの世話に明け暮れていました。 ねずみ女房は、毎日のようにハトの籠のそばまで通い、空や風や雲、森や梢、草の露など外の世界の話を聞いたりします。 夫のねずみは時折やきもちを焼いて、ねずみ女房の耳をかじったりするのですが、ねずみ女房は、ハトのところに通うのが楽しくてしょうがありません。

    失っても、なお───「ねずみ女房」。 - 言葉と記憶の小径。
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