ケーズホールディングスの創業者・加藤馨名誉会長(故人)の経営理念を引き継いで「がんばらない経営」という経営スタイルをつくった加藤修一相談役は、65歳で社長を、70歳で会長を退いた。父親でもある馨氏の背中を見て経営してきたという加藤相談役に、ケーズデンキの創業70年を振り返りながら経営の原点について聞いた。 取材・文/ 細田 立圭志、写真/ 大星 直輝 「老害」が会社経営をおかしくする YKK戦争は「負けない戦い」だった ●創業者の教えを守り、社長は最長65歳まで ―― 2011年に65歳で社長を退いて会長になり、16年6月に70歳で会長職からきっぱりと退かれました。惜しむ声はいまだに多いですが。 加藤 いろいろな会社を見てきて、世代交代でトラブルが起きている会社の原因は老害だと思います。社長ができるところまでやってしまうのは、企業にとって悪いことだと考えます。社長がしっかりしているうちに継