【ソウル=名村隆寛】韓国は今年8月の日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄決定以降、米国から失効回避の働きかけを受けてきたが、「同盟関係であろうが、国益のためには何も優先することはできない」(韓国大統領府関係者)と主張していた。だが、破棄を「自殺行為」「韓国の信頼危機」とする野党やメディアの批判にさらされ、文在寅(ムン・ジェイン)政権として日米との関係悪化のリスクを避けたとみられる。 文政権が7月以降の約5カ月間、最も危機感を高め反発し続けたのは、日本政府による半導体素材の輸出管理厳格化の措置だ。韓国政府は日本に対し報復措置を連発した。 安保上の輸出管理で優遇する「ホワイト国」から日本を除外、東京電力福島第1原発の放射性物質にからみ輸入検査を強化。国民レベルでは日本製品不買や日本への観光旅行ボイコットが続いている。その決定打として8月にGSOMIA破棄を決めた。「GSOMIAを持