新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、出勤者を減らすなどの対応をする企業が出る一方、「コロナ前」と変わらない働き方を求められた中小企業に勤める30代男性は「退職」の決断をしました。子どもが通う小学校の休校に、共働きの妻と対応するため有休の申請をしたところ、「子育ては母親」という風潮が強い会社側が拒否したためです。「コロナが決定打となった」と語る男性に話を聞きました。(朝日新聞記者・丹治翔) 【画像】開封せずに「受け取りません!!」と突き返された退職届 男性をあきれさせた社長の直筆メッセージがこちら 男性が働いていたのは、従業員十数人の金具工場です。60代の社長は、創業家の3代目。従業員の大半も60代で、男性は下から数えた方が早く、唯一の子育て世代でした。「コロナの前から会社は、家庭の事情をほとんど顧みてくれませんでした」 パートの妻(40代)と共働きで、長男(9)、長女(7)、次女(5)