「武漢肺炎」――。台湾では新型コロナウイルスをこう呼び続けている。 世界保健機関(WHO)は差別につながる恐れから、地名や国名を病名に付けることを避けるよう指針を出している。世界各国の報道機関はWHOが定めた正式名称の「COVID-19」や「コロナウイルス」を呼称として用い、差別的言動を助長しないように配慮する方針も示している。 【データ】新型コロナウイルス 国内の感染状況 ただ、台湾がWHOの方針に従っていないことを責められない面もある。台湾はWHOに加盟していない。WHO自身が台湾を排除しているからだ。 ■WHO総会に参加できない台湾 5月18日からWHO年次総会の開催が予定されている。新型コロナウイルスが流行している影響で今年の総会はテレビ電話形式で開かれる。新型コロナ対策も重要な議題にのぼるが、開催が迫る5月16日現在でも台湾が総会へオブザーバー参加できる見通しは立っていない。 台