中国が、香港の統制を強める「国家安全法制」の新設を決定したことを受け、香港の旧宗主国・英国が対中姿勢を硬化させている。香港返還に当たり、「1国2制度」を50年間保障することで中国と合意した英国では、中国政府が進める近年の香港への統制強化に対し、少しずつ懸念が募ってきていたが、香港の高度の自治を危うくする法制の新設決定で不信感が一気に噴出した形だ。【欧州総局長・服部正法】 【集会禁止の香港】公園に1万人超、暗闇に無数のロウソク 香港問題だけではない。中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)を巡る問題や、新型コロナウイルス感染拡大への中国当局の対応などを通じて、英国で醸成され強まってきた「中国警戒論」は、今後の両国関係を変え、中国を取り巻く国際関係に影響を与える可能性もある。英国が中国への対決姿勢を強める背景には、どんな思いがあるのか。 ◇英国人に募る中国への警戒感 新型コロナ禍で英国全土が