建築や土木の分野でVR(バーチャルリアリティー)の活用が進んでいる。建設系VRの多くは、静止画像を3次元で見るものだが、今回のポイントは「動画」だ。NHKエンタープライズと隈研吾氏は、隈氏が手掛けた主要な建築物を3次元の全天周カメラで動画撮影した作品集の制作を進めている。2021年5月18日、19日の2日間をかけて、埼玉県所沢市にある近作「ところざわサクラタウン」(20年竣工)の撮影を実施した。 ところざわサクラタウンの屋外広場で機材をセッティングする様子。ところざわサクラタウンは、KADOKAWAが建設・運営する書籍製造・物流工場やオフィス、ホテル、ショップ、神社、ミュージアムなどから成る複合施設。2020年に完成した。鹿島が設計し、隈氏がデザインを監修。後ろに見える巨大岩石のような建物は「角川武蔵野ミュージアム」(写真:宮沢 洋) この記事を書いているのは、このほど日経BPから書籍『隈