◆ 7つの選考基準から選出される沢村賞 全項目を満たし受賞した投手は過去に10人 今年度の沢村賞にはオリックスの金子千尋が選ばれた。金子は昨季、選考基準をすべて満たしながら、田中将大の24勝0敗という圧倒的な成績の前に受賞を逃していた。今季は完投数と投球回が基準を満たさなかったが、2年連続で好成績を挙げたことが評価されて自身初の受賞となった。 また、全投手が7つの選考基準を満たさなかったことに関し堀内恒夫選考委員長は「軽々には言えないが、見直さざるを得ない。野球界のシステムが変わってきた。クオリティースタートを考えてもいいという案もある」とコメントを残している。 そんな経緯を考慮して、シーズンで最も優れた先発完投型の投手に贈られる「沢村賞」の選考基準を改めて考えてみたいと思う。沢村賞は、1947年に雑誌『熱球』が企画し、私的表彰を始めたことに端を発し、後に特別賞として公の賞に認定され