2016年7月13日のブックマーク (1件)

  • 濡れ手にくり

    濡れ手に栗がついて取れなくなったのはいつからだろうか。 何しろ一度でも手が濡れてしまうと栗がどこからともなく飛来してくる。 大抵は工場から飛んで来るらしいのだが、秋ともなると大変だ。山間から工場までまんべんなくいがぐりが手をめがけて大挙してくる。 ツリーマンのようになってしまった俺の手にジャーナリストたちが群がり、そのくせ時の首相の救済策もなく手の栗は重量を増してゆく。 結局去年の秋は取材班要請の医療チームが駆けつけて解体作業を行い、どうにか乗り越えることが出来た。 話しによれば栗磁性と呼ばれる磁力を発生させているらしい。 俺は栗磁性をやり過ごすために右手にギプスをはめ、左手で生活するはめになった。幸い磁力は右腕だけで作用しているらしい。 だが俺は右手のギプスに違和感を感じ始めていた。ギプス上からは栗が飛来しないはずだし、水分は入り込まないはずなのにだ。 景色は紅葉が燃え深まる頃。 ギプス

    rimefile
    rimefile 2016/07/13
    濡れ手というか帯電した手にに発泡スチロールの屑。栗から逃れるために海の見える温泉街で猫のサーガを小説化さえしていたら文学だったのに