本連載は、サービスを止めてはならない環境で活躍する冗長化支援ツール「DRBD(Distributed Replicated Block Device)」を使い、災害対策システムや高可用性WordPressシステムなどを構築するノウハウをお届けしています。今回は、DRBD環境をはじめとするクラスタ環境で悩ましいトラブルの1つである「スプリットブレイン」の対策を解説します。 「スプリットブレイン」とは何か DRBDを始め、クラスタ環境で特に悩ましいトラブル状況の1つが「スプリットブレイン」です。 スプリットブレインとは何か。まず、その「状態」から説明します。以下に「正常」なシステム例を示します(図1)。 図1は、一号機をプライマリー機としてWordPressサーバを稼働させ、同じ構成の二号機が待機している、DRBD+Pacemaker+Corosyncを用いた冗長化構成です。ユーザーはVIP(