中村堂は、戦前多くの造り酒屋があった京都の五条大橋の近くに位置する。 江戸時代後期1862年・麹屋宇兵衛が造り酒屋を創業、明治に移り、文明開化の頃「開化一 (カイカイチ)」という商品名で清酒を売り、順調な酒屋であったが、昭和2年の火災で家屋が全焼。酒蔵は土蔵のため3つとも残った。 丸一年かけて鉄筋の建物に建て直すが、5代目の先代社長は、その間生き延びるため、残った酒を保存することを思いつく。 酒は保存すると丸味を帯びた古酒となり、滋養強壮の目的で貯蔵されたそれは、後年京風味と名付けられた。 戦後の酒一本づつに税金のかかる蔵出し税と違い、戦前は年4回の納税でよかったこともあり京風味は滋養強壮剤として安定した利益をもたらす。 やがて昭和6年満州事変、11年支那事変、17年大東亜戦争と、日本は戦争色が濃くなり、様々なものが配給制度となり、自由には手に入らなくなった。 酒も貴重になってい
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く