心が動くのは嫌だと思ってた。 自分は自分の為だし、 誰かに揺さぶられるのは なんだか汚らしい気もした。 夏の盛り。 面倒な感情は高い空にでも 放り投げたくて、 無気力な顏をしながら、汗を拭いた。 人付き合いくらい一旦はなおざりにしたい、 だって夏なんだから。 それでもアイツは 無気力な顏を心配した。 自分もアイツのうつむき顏を 心配したからだった。 最小限の人付き合いは、 自然に「ふたりきり」にした。 それが丁度良かったし、 常にベッタリではなかったからよかった。 いつからかアイツを空気のように感じていた。 人を空気扱いするのは気が引けるが、 それくらい自然に溶け込んでいた。 アイツはそうじゃなかったんだな。 肩肘張って生きる日常が嫌で、 ひとり遠くの鉄塔を眺めた。 白いホイップクリームの雲が オレンジに染まるころ、 「寂しさ」のようなものを感じた。 揺さぶられたくなかった自分は 何に揺れ
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