安倍晋三首相は19日、環太平洋連携協定(TPP)交渉について、2月の日米首脳会談での参加表明を見送る方針を固めた。TPP交渉入りには、自民党の有力な支持組織である農業団体が反対しており、党内でも異論が強い。この時期に参加表明すれば党内が混乱し、夏の参院選に影響が及ぶのは確実で、先送りが望ましいと判断した。 日米外相はワシントンでの18日の会談で、2月17日からの週に安倍首相とオバマ米大統領による初の首脳会談を行うことで合意。クリントン米国務長官は外相会談後の共同記者会見で「日本の参加は全てのTPP参加国に経済分野で大きなチャンスをもたらす」と述べ、日本の交渉入りに改めて期待を示した。 しかし、全国農業協同組合中央会(JA全中)などが交渉参加に異を唱え、自民党の反対論も勢いを増している。党内では、政府の最終判断は参院選後にずれ込むとの見方が強く、首相周辺も「参院選まで首相は何も言えない。