青森県八戸市河原木の主婦、今己知(みち)さん(32)は12日早朝、停電に見舞われた市内の病院で男児を出産した。 暖房の切れた院内は冷え込み、余震が続く環境の中での新しい命の誕生だった。陣痛が始まったのは12日未明。すぐに夫博一さん(35)の運転する車で暗闇の道を病院へと向かった。小雪が舞う中、午前4時過ぎに病院に到着したが、発電機がないため院内は真っ暗。電動式の分娩(ぶんべん)台も動かないため、背中部分に枕を置いて角度を作り、看護師が手にした懐中電灯を使っての出産が始まった。 途中、隣の部屋から大きな音が鳴り、白煙が漂った。病院と取引のある男性が用意した小さな発電機を起動させた。赤ちゃんの様子を見るためのライトに明かりがともった。 午前5時38分、3310グラムの元気な男の子を出産。今さんは「余震で分娩台が何度も揺れる中での出産でしたが、ひとりぼっちじゃないから大丈夫だろうと思った。元気で