南米で地上デジタル放送の日本方式採用が相次いでいる。世界的には欧州、米国方式の採用が先行する中、ブラジル、ペルー、アルゼンチンの3国が後発の日本方式の採用を決めた。そのわけは。【望月麻紀】 アルゼンチン・バリロチェ市で8月28日(日本時間同29日)、フェルナンデス大統領が麻生太郎首相特使の増田寛也元総務相の立ち会いで、日本方式採用の覚書に署名した。 07年12月に地デジ放送を開始したブラジル、09年4月に日本方式採用を決定したペルーに続く3カ国目。総務省の担当者は「南米の2大国のブラジル、アルゼンチンを押さえた意味は大きい」と言い、ほかの南米各国が2国に倣う可能性が高まったとみている。近くチリ、ベネズエラも日本方式採用を決めると見込む。 国際標準として承認されている地デジの規格は日本、欧州、米国の3方式。ほかに中国が独自方式で放送を開始している。欧州・米国の2方式は97年に承認され、