世の中にうまい話などない。 たとえば、「徳川幕府が明治維新のどさくさで隠した埋蔵金のありかがわかった。発掘費用の一部を投資してもらえば年利30%つけて償還する」という電話がかかってきたとしよう。みなさんは、すぐ電話を切るか警察に通報するはずだ。民主党が昨夏の衆院選で掲げたマニフェスト(政権公約)も「徳川埋蔵金」のたぐいだった。 廃止すると高らかに宣言したガソリン税の暫定税率は、小沢一郎幹事長(当時)の鶴の一声で維持され、高速道路の無料化も通行量の少ないごく一部の路線で実施されるだけ。1カ月2万6千円の子ども手当も半額は支給されたが、残りは「上積みする」(参院選向けのマニフェスト)とは言うものの、不履行に終わるのは確実だ。 先日、21世紀臨調主催で開かれた「マニフェスト検証大会」で、民主党を支援している連合以外の民間団体が「言論NPO」の25点をはじめ軒並み落第点をつけたのも大いにうなずける