終戦後の渋谷を席巻した安藤組の初代組長であった安藤は、1965年に自らの手記を映画化した「血と掟」で俳優へと転身を遂げて以降、出演、原作、企画などさまざまな立場から映画に携わってきた。本書はそんな安藤への山口猛によるインタビュー、詳細なフィルモグラフィ、秘蔵スナップを集めたもの。安藤組時代から俳優時代、そしてその後に至るまでが本人の口から語られ、菅原文太や勝新太郎、加藤泰らとのエピソードも披露されている。 2002年に刊行され、現在絶版となっている単行本を文庫化した本書には、2015年4月に敢行された安藤へのインタビューを新たに収録。単行本版で「役者なんていうものは、いい加減な商売だから、ヤクザと一緒だね。字だって1字しか違わない、ほとんど一緒だよ」と豪快に話していた安藤が、芸能生活50周年を迎えた今何を語るのか、ファンは期待しよう。