こんな筈じゃ無かった。 俺は白狼になっていた。真っ白な子どもの狼だ。大人の硬く煤けた触りたくもない毛並みではなく、 ツヤッツヤの産まれたてホヤホヤ、フカフカのモフモフだ。鼻は勿論少しデカいが、もう俺と云えば鼻デカはアイデンティティ。気に入っている。 確かにモフモフは好きだ。 しかし俺がモフモフしたいのであって、決してモフモフされたいのでは無かった。 真っ白な可愛い仔犬のイメージをしっかり持って、魔石の情報を書き換えられたと思う。確かにそうなったが、モフモフを楽しむのは俺ではなく、 ゴブイチであった。 何故もっと考えなかったのか、ワクワクが止まらないままの油断だ。 ゴブリンのジョセフには戻れるのだが、何故か?殺気の様なプレッシャーが俺の変化を頑なに拒む。 ゴブイチとは本当に目に見えて絆が深い、以心伝心で俺が魔石に魔力を込めようか考えるだけで、物凄く機嫌が悪くなる。 そうして俺は、ゴブイチの左